産経ニュース  2009.4.7 11:41

バラク・オバマ米大統領(47)と欧州連合(EU)が5日、プラハで開いた首脳会議で、地球温暖化対策について緊密に強調していくことで合意した。これまでの温暖化対策で対立関係にあった米欧が歩み寄りを見せたことについて、会議の参加者らは「米欧関係が新たな関係に入ったシンボル」と称賛した。このニュースが国内に伝えられた6日、日本が太陽光発電で世界3位に転落したことが判明。温暖化対策の進展を占う再生可能エネルギー分野での日本の地盤沈下を示すもので、有効な対策を取らなければ世界の潮流から取り残されることになりかねない。
 民間国際団体の再生可能エネルギー政策ネットワーク21(REN21、本部ドイツ)の調査では、2008年末の太陽光発電の総設備容量はドイツが1位で 540万キロワット。2位は1年で急増し 230万キロワットに達したスペイン。 197万キロワットの日本はスペインに抜かれて3位に転落。05年にトップの座を奪われたドイツのわずか40%弱とさらに水をあけられた。

 08年に新たに設置された太陽光発電の容量でも前年の3位から4位へと後退した。スペインは昨年1年間の新設容量が大型原発1基分を上回る 170万キロワットと世界最大。2位はドイツ( 150万キロワット)、3位は米国(30万キロワット)で日本は4位で24万キロワットだった。

 「政策として完全に失敗だ」。日本の3位転落について、飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長は指摘する。さらに、「再生可能エネルギー利用は環境投資による景気対策であるグリーンニューディールの要。日本も電力会社に一定量の利用を義務付けてきたが、量は非常に少ない」と批判している。

ドイツやスペインは、電力会社に一定の価格で長期間の買い取りを義務づけている。REN21も、再生可能エネルギーの開発が急速に進んだ国はいずれも太陽光や風力からの電力を長期間にわたり有利な価格で買い取るよう電力会社に義務づける「固定価格買い取り制度」を導入していると分析している。

 こうした事態を憂慮し、日本政府も最近、電力会社に再生可能エネルギーでつくった電力を一定量買い取るよう義務付ける制度を一部変更、太陽光発電については一定期間、有利な価格での買い取りを義務付ける新制度の導入を決めるなど、対策に乗り出している。

 麻生太郎首相(68)が6日、10兆円規模の追加経済対策の柱に太陽光発電の拡大を盛り込んだ。この分野で、景気刺激策と温暖化対策を両立した政策遂行ができるか、手腕が問われる。




再生可能エネルギー 太陽光や太陽熱、風力による発電など主に自然環境を利用したエネルギー源の総称。石炭、石油などの化石燃料やウランを原料とする原子力発電と違い、利用する資源に限りがないためこう呼ばれる。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が極めて少ないことから関心を集め、発展途上国を含め近年、急速に導入が進んでいる。